人工知能のレベルについて
人工知能は1960年から始まる第一次世代、第二次世代を経て、今現在は第三次世代と呼ばれていますが、それとは別に4つのレベルに分類されています。人によっては将来の可能性も含めて5つのレベルが提唱されている場合もあります。
今回はそれらの5つのレベルについて説明していきます。
レベル1
レベル1のAIは最も動きが単純な制御アルゴリズムを持った制御プログラムです。
その多くがAI家電として内臓されています。
例えば、温度が変わることによって機能するもので、家電品の冷蔵庫やエアコンに組み込まれており、温湿度、日射量、天気、時間帯などの外部の環境に合わせ室内温度をコントロールしたり、空調を変化させたりすることが出来ます。
これらは事前に制御アルゴリズムとしてプログラムされています。
レベル1のAIでは特定の動作しか行えず、事前に制御アルゴリズムとしてプログラムされていることから、いわゆる人工知能というイメージは弱いものとなります。
レベル1の例
- 温湿度、日射量の変化に応じて自動で温度・湿度を調整するエアコン
- 食材に合わせて最適な温度調節をする冷蔵庫
レベル2
レベル2は別名「弱いAI」とも呼ばれており、人間の知能の役割の一部を代わりに行ってくれるAI機械を指します。レベル2から人工知能というイメージが強くなります。
レベル2は可能な限り人が持っている知識を事前にプログラムに取り込むことで、対応可能な領域を広げています。
チェスや将棋のプログラムやお掃除ロボットなどが該当します。
しかしながら、学習することは出来ません。あくまで事前にプログラムで入力されたアルゴリズムにより動作が決定されます。これが後程紹介するレベル3やレベル4と違うところです。
レベル2の例
- 部屋の状況を正確に把握し、くまなく清掃するお掃除ロボット
- 数ある打ち手の中から、次の最適な一手を判断するチェスのプログラム
レベル3
様々な対応パターンがあるのはレベル2と同様ですが、学習することで対応パターンを増やしていくAI機械をレベル3と呼びます。
学習には主に機械学習を用いており、大量のデータをコンピュータに与えることでルールとパターンを学習していきます。レベル4と異なり、それらの材料は人間の手で与える必要があります。
検索エンジンでは、検索したキーワードについて表示していますが、多少間違った文字で検索しても、ある程度予想して検索するキーワードを自動的に変換してくれます。これは、大量のデータからキーワードのルールやパターンを学習しているためです。
レベル3の例
- 検索エンジン、ビックデータ分析
レベル4
対応パターンを自ら学習できるものをレベル4と呼ばれます。
レベル3と異なり、学習に必要なルールとパターンもデータとして自ら、学習を繰り返していくことでより多くの対応パターンを持つことが出来ます。
コンピュータ自らが学習を行うため、急速に成長していくことが特徴で、特別に強い将棋・囲碁のアルゴリズムが相当します。自動車運転のアルゴリズムもレベル4に分類されます。
レベル4の例
- 特別に強い将棋・囲碁のアルゴリズム
- 自動車運転のアルゴリズム
グーグルの自動運転車のプロトタイプ
レベル5
レベル5は人間と同じように振舞える人工知能の事です。
現状ではそこまでのAIは誕生していません。映画で出てくるようなターミネーターや鉄腕アトムのような人間と大差ない人工知能がレベル5に該当します。